お茶鑑定のために嗅覚を鍛えたい。アロマキット編
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日本茶に使えるアロマキットを求めて
日本茶をより深く理解するため嗅覚を鍛えるにあたって、アロマキットというものを購入しようと思ったのですが、ワイン用やウイスキー用は世にあれど日本茶用のアロマキットというのは現在のところ当然(?)ありません。
しかたがないので使えそうなものを他から探すことになります。
アロマキットの候補たち
1.aromaster社のアロマキット
ワイン・ウイスキー等のアロマキットを作成している会社です。
あの田崎真也先生も推薦(すごい)。
一応ティー用のアロマキットがあるのですが、おそらく紅茶向けです(あと2021年9月現在品切れ中)。
ただ、全120種類の香りから12種類ないし24種類を選んで自分の好きなセットを作れるという商品があり、これがかなりよさげです。
よさげな点
- 香りの種類が豊富
何しろ120種類あり、果物や花の香りはもちろん野菜の香りや木の香り、土の匂いや灯油の匂いのようなネガティブな匂いまで網羅しています。 - 追加も容易そう
キットのものは単品購入できるそうなので、使い切ったり劣化したりしても大丈夫そう。
気になる点
- ちょっとお高い
24本セットで150€ですから、1本あたり6.25€。さらに送料が20€かかります。 - 海外発送
台湾から送られてくるようです。サイトは日本語対応ですし、破損等にも親切に対応してくれたというレビューがAmazonの商品ページにありましたが、何かあったら自己責任ではあります。
その他の点
香りの持続期限はメーカーによると10年間とのこと。(Amazonのワインキットの商品ページから)
2.Hula社のThe scent of tea aroma kit
お茶専用のアロマキットを販売しています。日本茶専用というわけではないですが、紅茶から緑茶まで幅広くカバー。かなりいい感じのキットです。
よさげな点
- お茶専用!
お茶の香り専用に組み立てられているので、ほしい感じの香りは大体入っています。
草系や土系、火香系も充実。 - 単体の化学物質で構成
販売サイトには各サンプルのSDSシートがついており(!)、それを見ると干し草の香りのサンプル=クマリン、クローブのサンプル=オイゲノール、ナッツの香りのサンプル=2,3-ジメチルピラジン……というふうにほとんどのサンプルがそれぞれお茶の香りを構成する単体の化学物質でなっているのがわかります。これ単純に利点といえるかどうかはわかりませんが、すごくないですか?
お茶の香り成分を単離して、それぞれにこういうものの香りが近い香りですというラベルを付けてサンプル化しているというほうが正確かもしれません。実際に香りをインデックス化するにあたって有用かどうかはともかく、いろいろ夢が広がる内容です。
(完全に全部がそうというわけではなく、自然抽出物(海藻の匂い)や混合物(ハチミツの匂い等)もあります。)
気になる点
- だいぶお高い
4種香りが入った入門キットが$54.95、追加の4種のエクスパンションキットがさらに$54.95。
45種類が入った上級者向けキットは$449です。プラス送料。
おしゃれなバンブー素材のボックスに入っていて、カードだの教本などいろいろおまけがつきますので決して不当に高い価格ではないと思うのですが、うーむ……とはなるお値段。 - 海外発送
アメリカの会社です。サイトも全部英語。
あと2021年現在、「こういうご時世やし海外発送の人は到着遅れるかもしれんで(意訳)」という注意書きも販売ページにあります。注文にあたって多少ハードルはあるかと。
3.ティアンドエム株式会社の食品用フレーバー
食品用香料をネット販売されている会社さんです。
食品製造業者さんや、自分で電子タバコのフレーバーをつける方に人気なよう。
よさげな点
- 安い!
1本10ml~で価格も(純粋な精油以外なら)100~300円程度。
良心的な価格で、気軽に試せそうです。 - 日本の業者さん
何かあったりした場合はやはり日本の業者さんなので安心。
柚子や黒糖、桜葉といった和のフレーバーがあるのもグッド。
気になる点
- 目的外使用になってしまう
あくまで食品添加物として販売されていますので、聴香目的は目的外。 - 香りの範囲が「いい香り」だけ
当たり前ですが食品添加物なので、土の香りだの腐った卵の匂いだのはありません。
その他の点
香りの持続期限はわかりませんが、食品添加物としての消費期限は1年のようです。
4.コーケン香料のワイナロマ
ワイン用のアロマキットはたくさんありますが、ルネデュヴァンとワイナロマというキットが評判が良さげな感じです。前者はワインガチ勢向け(教本とかがついてる)で高価格なので、後者をチョイス。
よさげな点
- 種類が多く1サンプルあたりも比較的安い
54種類入っており、実勢の販売価格は24,000円前後です。一種あたり450円弱。
ワインの表現のため、花の香りや果物の香りがかなり多く入っており微妙なニュアンスにも強くなれそうです。 - 日本の企業が製造で補充も容易
コーケン香料さんという日本のメーカーさんが製造しています。
付属のはがきでユーザー登録すればなくなったサンプルを追加で販売してくれるサービスがあるようです。
気になる点
- あくまでワイン向け
当たり前なんですが、ワイン用なので青い香りや火香といった日本茶に必要そうな香りにはほぼ対応していません。
ワインの欠点向けのコルク臭や酢臭といったサンプルもほぼ無駄になってしまうのが惜しい。
その他の点
香りの持続期限は2年(商品情報より)。
何を選ぶべきか?
初心者が自分の中に香りのインデックスを作るという用途ならワイナロマでも十分役立つと思いますが(かなり迷った)、私はaromaster社の24種キットを選びました。日本茶のフレーバーホイールなどを見ながら、バランスよく24種を選択しようと思います。
とりあえずまだ購入していませんので、レポートは購入し次第。